本作は、2015年に放映されたモバゲーのアプリ、「アイドルマスターシンデレラガールズ」を原作に制作されたアニメです。今でこそデレステで大きな人気を集め、単独ドーム公演なんかも行うほどの超人気コンテンツになったシンデレラガールズですが、本作制作時点ではまだコンテンツが軌道に乗り始めたばかり。そんなシンデレラガールズが大きな躍進を遂げるきっかけとなった作品でもあります。第一話放映時のプロデューサーのキャラクター性に対する大きな反応（通称、武内ショック）で、存在だけ走っているという人は多くても、案外どんなアニメか知っている人は多くないかもしれません。デレステはやってるけど、アニメは見たことない……という人もたくさんいるかと思います。そんな人にこそ、ぜひ知ってほしいです。本作が、シンデレラガールズというコンテンツにおいて、どんな作品だったのかを。本作は、島村卯月、渋谷凛、本田未央の三人を中心に、14人の女の子が所属するシンデレラプロジェクトという部署を単位にお話が進んでいきます。第一クールでは、卯月と凛がアイドルになる１話を皮切りに、14人の女の子がアイドルとしてデビューする中での苦戦と葛藤、そしてサマーフェスという大きな舞台に上がるまで。第二クールでは、美城常務という重役が「現行プロジェクトのすべての白紙化」及び「プロデュースの路線変更」宣言を皮切りに、それぞれのアイドル達が上からの指示と自分たちらしさの中で、一歩成長しようと苦悩するお話が、それぞれ描かれます。シナリオ全体の構成自体は、結構王道な味付けで、「デビュー、挫折、それを乗り越えて……」というアイドルアニメとして比較的ありがちな流れではあるのですが、本作はそこにかなり生々しい人間ドラマがついてくるのが大きな特徴でしょう。それは、賛否両論を生むほどに。華やかなオープニングや演出からは想像できないほど、本作のキャラの描き方はえぐり出すようなリアルさがあります。なおかつ、その描き方が細かく作り込まれすぎている（あえてすぎている、と言わせていただきます）のが、本作の評価を大きく分ける原因になっております。例えば、本作６話で、あるアイドルがデビューライブ後にプロデューサーとすれ違いを起こし、アイドルを辞めかけるまでの騒動に発展します。普通のアニメであれば、こういった大きなすれ違いが起きる直前にはわかりやすい大きな爆弾となるセリフがあるものです（例えば、同じアイマスの765のアニメでは美希とのすれ違いの前にはわかりやすい伏線がありましたね）。が、本作はやや違います。６話のすれ違いが何故起きたのかというのを、２話からの流れの中に少しずつ仕込んでいくのです。６話ですれ違いを起こしたそのアイドルは、アイドルになってから華々しいデビューへの階段を登る中で、だんだんと状況認識が楽観的になっていく（これは他のユニットメンバー二名も同様です）。しかし、プロデューサーとのコミュニケーションがうまく取れていないため、プロデューサーとの認識のズレが訂正されることなくどんどんひどくなっていき、それが一つ弾けるのが６話で、という…………いや、序盤からお話に詰め込み過ぎじゃないか！？　と、そう思う人もいるでしょう。僕もそう思います。細かい、ともすれば見逃してしまいそうなほど小さなシーンの積み重ねが、大きなすれ違いを生むその構成から、常に何重ものシナリオの縦ラインが交差しており、よく言うと見ごたえがある、悪く言えば初見だと難しい作品と言えます。また、作中の人間ドラマのもう１つの特徴として、悪役のいないドラマというのがあります。物語の中で、多くのキャラクターが自らの壁に出会います。しかし、その壁の殆どは、誰か他のアイドルであったり、あるいはプロデューサーなどの周囲の環境から生まれるものです。もしかすれば、一人で気ままに歩いていれば、出会わなかったかもしれない壁。けれど、その壁が生まれたのは悪意などではなく、誰かが選んた「こうしたい」という思いとのズレからくるものなのです。誰かが、アイドルとして輝くために選んだ道が、時に他のアイドルに悩みを与えることもある。一つの選択に正解も不正解もつきまとう、二元論では語れない複雑なシナリオです。特に２クール目ではそれが顕著であり、ともすれば、誰かが悲しんだときに、その理由を他のキャラに探して非難したくなるかもしれません。けれど、この作品に非難されるべき悪役はいないのです。２クールの大きな混乱の原因となった美城常務にさえ、貫くべき信念があり、歩む道が違うだけのもう一人のプロデューサーとして描かれています（彼女のやり方への批判はあっても、方針や成果自体への批判はない）。この、「どうすべきか」という正解も結論もない物語と、難解で読解を要求する演出、全体的にジメッとしてスッキリしない雰囲気などから、「アイドルマスターシンデレラガールズ」のアニメ化として相当挑戦的な作品であることは間違いなく、少なからず賛否を分けることもある作品です。しかし、私はこう思います。アニメのシンデレラガールズは、好みの分かれる作品であっても、決して粗雑な作品ではないと。本作は、あらゆる手段を用いてアイドルたちに誠実に向きあっています。アイドルとしてデビューし、目まぐるしく動く自分の世界の中で、自分らしい輝きを探し必死に歩もうとする少女たちを、まっすぐ描いた作品なのです。本作は、「アイドルとしてどうすべきか？」と問われたアイドルたちが「こうすべきだ」という答えを見つける作品ではありません。「こうしたい」という自分の思いを仲間とともに探し、歩み出すまでの物語です。女の子が、アイドルになるまでの物語です。常に考え、挑み、時に間違えたのだとしても、それを間違いのままにしないため、それでも進む。その中で、少女たちの道が交わって、大きな進歩になっていく。そうしてアイドルなっていく少女たちの物語を、これ以上ないくらい写実的に描いている。自分はそんなこのアニメの持つ生感が、たまらなく愛おしいと、そう思うのです。本作は、万人にとっての名作ではないのかもしれません。ぼんやりと見ているだけでは、「どうしてこんな展開になるの？」、「なんでこの人はこんなことを言うの？」と、シナリオにおいていかれることもあるかもしれません。でも、そんなときにこそ、ほんの少しだけそのキャラクターに寄り添ってあげてほしいのです。このアニメの人物たちが動く「理由」は、きっとどこかに描かれているはずです。一人一人がいだく、「こうしたい」という願いのような意思を、一つ一つすくい上げるように繋げていくと、この作品が描こうとしたテーマにきっとだどりつけるはずです。それは、ともすればとても手間な作業かもしれません。けれど、そうやってこの作品に向き合った先に見える、アイドルとなった少女たちの姿は、きっとこの上なく輝かしいものになっていると、そう思います。この作品が描いた日々を全力で駆け抜けた登場人物たちの思いを感じたとき、きっとあなたにとって、かけがえのない大切な作品になるはずです。今の私にとって、そうであるように。……そして、最後に。本作は、シンデレラガールズというコンテンツの中での存在感とその後の展開に与えた影響から、作品自体の出来と無関係なところで、意地悪な批判にさらされることがあります。どうか、そのような悪意に振り回されることなく作品と向き合ってください。それだけが、私の願いです。※モバゲーのゲーム版で、TVアニメのサブストーリーのボイスドラマ、「NO MAKE」が配信されており、本編の補完として非常に優秀なので本作にハマった方はぜひそちらも一聴ください。

無印→劇場→デレマスの流れで視聴しました。前作と差別化を図りたかったのでしょうが、裏目に出てしまった印象。アイドル達のキャラ作りが強く、個性より我儘といった感じで皆がお互いに振り回されている。嫌いではないが、前作のアイドル達の自然な性格と比較してしまうと、苦手意識を持つ人もいるだろう。Pの過去に何か失敗があり、それを反省して新たに活動しているように見えるが最後までその過去が解き明かされることはなかった。城ケ崎姉との思わせ振りな関係も、伏線かと思ったが何も描写されなかった。美城常務も「唐突に現れた嫌な奴」のまま最終回を迎えてしまい、何故イメージブランドに拘るのか・それに至った経緯などは明かされず、何もかもが中途半端。「視聴者のヲタクは、こういった二次元女の子達が好きなんだろ？こういった悩みやトラブルを乗り越えて、成長していく女の子達が好きなんだろ？全部用意してやったぞ喜べ！」という制作陣の声が聞こえた気がした。

久しぶりにモバマスに復帰したことをきっかけに、未視聴だったこちらの作品を見てみました。完走しましたが、正直見続けるのが苦痛と思った事もしばしば、特に一期は酷かった！キャラが多いしキャラ設定しかないソシャゲーからアニメ化したので仕方がないとは言えキャラクターの内面にせまる描写がほぼ皆無の為、感動も共感もほぼ無し卯月＝笑顔モバマスやっていれば誰でもわかるフレーズですが、24話の卯月回で卯月の笑顔に最高のカタルシスを感じれた人はどれだけいたんだろう？カタルシスに持って行く為に、卯月の笑顔を一つも掘り下げてこなかったので説得力があまりない回になってしまっていた。ただ、作画、画面の見せ方だけで良くこれだけ感動作れたな！とは感心しました。1期は結構見るのが大変、作画などは良いので名作感はあるんだけど多分どちらかと言うと駄作！2期はそこそこ見れるけど1期と比較して面白くなってるだけで、普通より上もしくは普通の面白さ。アイマスコンテンツなので完走したが、新規のアニメだったら間違いなく途中で視聴をやめていました。

いろんなところで博打を打って外してしまった作品。制作とか初監督とかシナリオとか。キャラや各シーンで良いところもあるのだが、いかんせんシナリオが色んな意味でキツイ。そもそも、なぜ社内抗争を軸においてしまったのか……。なぜ未央をセンターにしたのか……。良い悪いではなく、「何故そうなった」の集大成がこの作品とも言える。当時物議を醸したクライマックスの「電車で公園まで連れて行って説教からの置き去り」がそれを象徴している。ここをどう捉えるかで作品の感想はかなり変わるだろう。これが問題ないと思えるなら、他の点も些末な問題となるからだ。放送中に何度も聞いた「前作と比べないで」はもう呪いの言葉と言える。仁奈ちゃんはかわいかったけどね。

基本的に見せたいシーンありきでそれに向かってストーリーが進みキャラクターそのシーンに向かって動いてしまうので「メール打っとけばいいじゃん」「ちゃんと話せばこうならなかっただろ」的な感想になってしまいました。あとは早々にユニットで別れてしまうのでなかなかユニットを越えての絡みが少なくキャラクター同士の掛け合いに飽きてきます。

前半と後半でのアイドルたちの意識に合わせて観る側も意識を変えていく必要があると感じましたこの辺はOPが象徴的なので、個人的にとても気に入っています前半と後半のOPは二つで一つだなと感じましたOPの衣装や足元の表現、作中の階段という言葉と実際のシンデレラのストーリーを重ね、そして、作中で言う魔法とは何なのかを考えると色々思いが巡って、とても楽しめましたメイン以外のアイドル達の表現に関しては、346自体が大きな会社な為社内で憧れや目標、ライバルがいるのが765とは異なる所CPの子達の一歩先を確立している子に助けられるところもあるし、逆にCPのメンバーが、自分達が経験してきたトラブルに他のチームのアイドルが躓きそうになったらフォローしたりもしますこの辺りの展開は何となく見ていると、ライバルを下げてメインを上げるためのシーンに見えますがそういうトラブルは作中の言葉では「結構ある事」で、彼女達も同じくらい頑張ってきたのだと思えますこの辺も前半があってこそのシーンだと思いましたし、それ故に最終話で出てくる新ユニットを見て嬉しくなりました後半になってから出てくる美城常務も最初は敵役の様ですが最後まで観ると、美城常務が成果を急ぐ理由、比喩で話す所、部長さんの常務への接し方などから、常務自身が、かつてアイドル志望だったのかなと思ったりプロデュースの方針に関しての話に関してもこれはゲームのプレイヤーに対してのメッセージなのかなとか…前半にプレイヤー的なプロデューサー出てますしね色々と深読みしたくなる様な要素が多く、今更ながらですが、観て良かったと思いましたネタバレにならない様に書いたつもりですが、是非視聴して色々感じてみてほしい作品でした余談ですが、きらりちゃん・美波さん・杏ちゃんは、かなり好きになりました。

これはプロヂューサーと協力して、女の子達がアイドルになっていくストーリーです一人の少女がアイドルを夢見て、魔法使いというプロヂューサーに魔法をかけられアイドルになりますただこのプロヂューサーはアイドルを魔法の馬車でお城に連れて行くことしかできませんでしたこの作品はシンデレラという物語が根本にあり、時計の描写がたくさん出てきます。12時を過ぎると魔法が解けてしまう、それはシンデレラでは有名ですよね？1３話までがそんな彼女たちに魔法をかけ、シンデレラになっていくストーリー構成そしてその魔法が解けてしまったかのような1４話になって彼女たちは自分たちの力で輝かなくては行けないくなるのです。時にはキャラを失いそうになったり、葛藤したりそんな彼女たちを応援したくなります。そしてそれを乗り越えた時、彼女たちは自分の力でアイドルと言う、シンデレラになっていきますアイドルの素晴らしさを教えてくれるような本当に素晴らしいストーリーだと思いました！学生の時に見たのと大人になったときに観るのでは印象が変わるのではないでしょうか？私は間違いなくこの作品は傑作だと思います！ただ、キャラがゲームと違うというのはまだ彼女たちが未熟であったから、と割り切り、成長を楽しんでみてもらえばそこまで苦にならないと思いました。

アニメアイドルマスターシンデレラガールズが、元のコンテンツの性質上賛否両論ではありますが、個人的には『少女たちがアイドルになっていく』過程をとても繊細に描ききった傑作だと思っています。どのように素晴らしいのかは他の方がレビューしていると思いますなのでかんたんな注意点を……『良くあるアイドルアニメでしょ……』となめてかかって作業しながら等のながら観していると、『なんだか突拍子もないストーリーだなぁ』と思ってしまいがちです。しかし！！ちゃんと過不足なく描写されていることが多いのです！！そう、『セリフ以外』で！！そうなのです、当作品はストーリーでの『重要な伏線』や『決意した瞬間』、『気付き』が”セリフ以外”で満遍なく描写されていることが多いのです。ただ、だからと言ってわかりにくいというものではありません。逆で、見ただけでわかる古典的な表現方法を多用しているし、加えてわりかししつこくやってくるので寧ろわかりやすい部類だと思います。そして、特に注目すべき点とすれば情景描写、キャラクターの表情でしょう。今作品のキャラクターの表情は、とても生き生きとしていています。嬉しそうな時はこちらも嬉しくなって、悲しそうな表情をする時はこちらも悲しくなる……ぐらいには。声優さんの演技もさることながら、それと相まってキャラクターたちの表情が素晴らしいので『そこに注目しないのは勿体ない！！』と個人的に思っています。セリフにない決意なども、この表情の作画で描写されていることが多く、それらを見逃すと『ちょっと突拍子の無い展開かも……』と思ってしまうかもしれません……。あと、構図、背景の小物、花言葉、時計などの細かい小物も意味を持っていて、そこら辺は一回見ただけじゃわからないと思いますので、もし興味を持ったのであれば考察サイトなどを巡ってみるのも面白いかもしれません！！ご注意を！！

面白かった！です！